本番で緊張して力を出せない子へ|当日までの親の関わり方
こんにちは、ぷでぃまです!
本番で力を出せないお子さんについて、先に結論をお伝えします。目指すのは緊張をなくすことではなく、緊張したままでも動ける形をつくっておくことです。
練習だとできるのに、本番になると別人みたいに固まってしまって…
よく聞くお悩みです。家では跳べていたなわとびが、当日は一度もひっかからずに終わる。かけっこも、スタートの音で足が出ない。
現場で子どもたちを見ていて思うのは、こういう子は本番に弱いわけではない、ということです。本番という場面の練習だけが、まだ足りていない。それだけのことが多いです。
この記事では、緊張の正体と、当日までに家でできる準備を順にお話しします。
この記事で分かること
- 緊張は止めるものではなく、体が準備を始めたサインだという話
- 「本番に弱い」のではなく、本番が初めての場面なだけという見方
- 家で本番に近い場面を、小さくつくる3つの方法
- 前日と当日の朝、親がやめておきたい声かけ
- 終わったあと、次の本番につながる受け止め方
緊張は、体が準備を始めたサインです

まず、体の中で何が起きているかです。緊張すると心臓が速く打ち、手に汗をかき、呼吸が浅くなります。
これは体がこわれているのではなく、いつでも動けるように準備を始めている状態です。心拍が上がるのは、筋肉へ血を早く送るため。そういう仕組みになっています。
問題は、緊張そのものではありません。強すぎる緊張と、緊張してはいけないという思い込みのほうです。
緊張と力の出方は、まっすぐな関係ではありません。ほどよく高まったところが一番よく動いて、強すぎても弱すぎても落ちる。山なりの形になります。
「緊張しないで」は、いちばん効かない声かけです。子どもは緊張に加えて、緊張している自分まで気にし始めます。
だから最初にやめたいのは、緊張を消そうとすることです。「ドキドキするね、体が準備してるんだよ」。この言い方に変えるだけで、子どもの受け止め方は変わります。
「本番に弱い」のではなく、本番が初めてなだけです

ふたつめは、練習と本番の違いの話です。
同じ動きをしているようで、本番にはいくつも違う要素が乗っています。
- 人に見られる … 家では誰も見ていません。本番は全員が見ています
- 一回しかない … 練習は失敗してもやり直せます。本番は一発です
- 待ち時間がある … 自分の番が来るまで、何十分も考える時間があります
この3つは、体の力とは別の負荷です。走る練習をどれだけ積んでも、ここは鍛えられません。
現場で見ていても、うまくいかない子の多くは体力が足りないのではなく、この場面に慣れていないだけです。逆に言えば、慣れる余地がまだ残っているということでもあります。
みんなが見てると思うと、体が言うこときかない
正直な感想だと思います。大人でも同じですよね。人前で話すとき、内容を知っていても声が震えることがあります。
家では、本番に近い場面を小さくつくる

三つめが、この記事でいちばん実際に使えるところです。やることは、練習に本番の要素をひとつだけ足すことです。
全部そろえる必要はありません。ひとつ足すだけで、当日の驚きはずいぶん減ります。
- 見られる練習 … 最後の1回だけ、家族に座って見てもらう
- 一回勝負の練習 … 「今から1回だけ」と宣言してからやる
- 待つ練習 … 準備ができてから、わざと3分待ってスタートする
とくに効くのは、最後の待つ練習です。本番で崩れる子の多くは、動き出す前の時間で気持ちが持たなくなっています。
やるときは、うまくいかなくても構わない場にしてください。ここで結果を評価してしまうと、家の練習まで緊張する場所になります。ねらいは成功ではなく、緊張した状態を一度通っておくことです。
ひとつ気をつけたいことがあります。息が浅くなって気分が悪くなる、手足がしびれるといった様子が出たら、その日は切り上げてください。緊張が強いときに起きることがあります。座らせて、ゆっくり息を吐かせる。それでも続くようなら、無理をさせずに医療機関へ相談してください。
落ち着かせたいときは、吸うことより吐くことを長くします。4つ数えて吸い、8つ数えて吐く。これは当日の朝にも使えます。
前日と当日の朝は、言葉を減らす

四つめは、直前の親の関わり方です。ここでやりがちなのが、応援のつもりの一言です。
「がんばれよ」「1位ねらえ」「練習どおりやれば大丈夫」。どれも悪気はありませんが、子どもには期待の重さとして届くことがあります。
じゃあ、何を言えばいいんでしょう…
言葉は減らして構いません。前日は持ち物を一緒にそろえる、当日の朝はいつもどおりの朝ごはんを出す。それだけで十分に伝わります。
かけるなら、結果ではなく気持ちに触れる一言です。「ドキドキするよね」「見に行くね」。逆効果になりやすい声かけと、その言い換えは良かれと思って逆効果|運動が苦手な子への「声かけNG集」にまとめてあります。
もうひとつ、前日の夜ふかしには気をつけてください。睡眠が足りないと、緊張への耐性はさらに下がります。特別なことをするより、いつもの時間に寝るほうが効きます。
終わったあとが、次の本番の準備になります

最後に、いちばんお伝えしたいことです。
本番は、うまくいく日ばかりではありません。固まったまま終わる日もあります。そのときの受け止められ方が、次の本番に持ち越されます。
緊張して失敗した日を責められた子は、次の本番をもっと怖がります。逆はほとんど起きません。
だから、まず出ていったこと自体を認めてあげてください。「緊張したね。それでも出ていったね」。この一言があるだけで、失敗は次に挑戦できる経験に変わります。
そして、うまくできた日があったら、その日の朝に何をしていたかを覚えておいてください。何時に起きたか、何を食べたか、直前に何をしていたか。それが、その子の当日の型になっていきます。
運動会のように日が決まっている本番なら、直前1週間の過ごし方から準備できます。前日・当日の朝・走り終わったあとの流れは、運動会のかけっこ、直前1週間と当日にできることにまとめました。
今日できる一歩は、家の練習の最後の1回を、誰かに見てもらう形にすることです。たった1回でも、見られながらやった経験は本番で効いてきます 🌱